• tag
  • tag
  • tag


WORK STYLE 女性管理職の想いとホンネ 【後編】

これまでじっくり語り合ってみたことがなかった女性管理職の皆さんに「女性管理職」というテーマで語り合ってもらった座談会の中で、開拓者の後を追っていたつもりが自らもバトンを渡された開拓者になっている事を実感し、「女性だから」難しいかもしれないと思っていた壁が実はジェンダーに起因するものではなく、乗り越えるべきは自分たちの意識だったことを確認した前編に続く後編です。

 

後編ではバトンを受け取り、さらに道を開拓していく先に「女性管理職を30%にする」というSDGsに基いた会社目標を見据えた彼女たちの働き方と、その後のバトンを受け取る人材へのメッセージを専務とともに語っています。

 

※山本が2名いるので文中では山本専務を専務、山本マネージャーを山本と表記しています。

女性管理職30%目標と持続可能な私たちの働き方

専務:お待たせしました。

金森:もう終わりましたよ?(笑)

皆さんがね、なぜ自分たちが管理職になったのか聞きたいそうです。

専務: 山本さんは事業所に勤務していた時は黙々と仕事をしている人というイメージが強くて、そのあとに社内の研修会で面白い考え方の人だなって思った。

面白い考え方を持っているとか、尖ってるくらいの人がいいんですよ。そういう人が管理職だと面白い会社になるかなって。

山本さんは入社後に日々の業務をやりながら勉強して試験を受けて、管理栄養士の資格を取ったんだよね。

牧野:私、ものすごく尊敬しているんです。

専務:そうでしょ。短大卒業して管理栄養士になるのってなかなか大変じゃないですか。

(注:栄養士の場合、指定期間の実務経験を積んだ後に管理栄養士の受験資格が得られる)

仕事しながら勉強もして…金森さんもそうでしたよね。

自己実現欲求が強いというか、目標に向かって努力して管理栄養士になってる。

その…そういう方って負けず嫌いの人が多いじゃないですか。

金森:さっきもその話をしていました。

専務:あぁ(笑)多分、金森さんの時代だと男性に負けてたまるかみたいな感じが今よりもっとあったんじゃないかなって想像します。

一同:(笑)

専務:ほぼ全員が男性店長の中で女性店長になって、マネージャーになっていくって多分「女だからできない」と言われたくない気持ちがすごく強かったんだろうなって思っていて。

でも、皆さん共通して持っていると思う。

一同:うなずく

専務:4人とも皆さん新卒でメーキューに入社して頑張ってもらっているっていうのが共通してるよね。

牧野さんは(株)アイセロ様から絶対的な評価を頂いていたのが大きいかな。

事業所で栄養セミナーを実施して、店長プラスアルファで真摯にやっている姿勢がいいんじゃないかと思った。

お客様に牧野さんを管理職にしたいとお話をさせていただいた時に「ついに来ましたか」って先方のH部長が牧野さんを応援してくれて、すごくいい関係を築きあげていたんだなって思いましたね。

牧野:ありがとうございます。

掴んだチャンスは離さずに自分のものにする

専務:早川さんはまだ若いけれど、僕が営業企画部長時代に「これをやって」と言われるとすぐに意向を汲み取って水準以上のところまでやれるくらいに成長してきたし、会社の考え方もよく理解している。それとポストが空いたっていうタイミングもあった。

まぁ、皆さんその立場その立場でかなり仕事をやり切っているんですよ。

で、これ以上の成長を考えた時にマネジメントって立場を会社が与えた方が成長するんだろうなって。

管理職をやりたいって言ってもできないパターンはあるんだけど、「やれ」って言われてやる人よりは「やります」「やりたい」っていう人にやっていただいた方がうまくいく場合が多い。

 

金森:さっきも話していたんですが、私がこうやって上がってきた流れの中にポストが空くってタイミングもあるんですよ。

どんな掴み方でもいいから、流れの中で掴んだチャンスを放さずにきっちりモノにして行けるところなんじゃないかな。

皆さん、やらなきゃいけない事はしっかりやるっていう根底がブレないんで、しっかり最後までやった結果がこの先どんどん出てくるんじゃないかなと思うし、どんなことも経験してくださいって言っているんです。

そうすれば明日かも10年後かもしれないけれど「苦労した成果がこれだったのか。だからこの利益を受けられるんだ」ってなってくるから何でも来たら受け取って、握ったら放さないようにしてほしい。

パートさんや社員、お得意様との信頼関係を築き上げるところから始まる

専務:金森さんにお伺いしたいんですが、将来、管理職になりたい後輩達に、今振り返ってみてもっとこういう事をやってみたらよかったとか、こういう事が必要だよっていうポイントはありますか?

金森:メーキューっていう会社は今、女性を登用しよう、管理職の比率を高めようってしている会社なので、それだけで女性にとってはチャンスだと思います。

私たちのように昔の時代を知っていて「女性は~」みたいな風潮があったころにくらべれば女性管理職の比率を上げようっていうのはものすごいチャンス

専務:今、社員比率は男性45%:女性55%くらいなんですよ。比率から言えばもっといてもいいはずなのに女性管理職は15%しかいない。

SDGsの目標にもつながるのだけど、社員比率からいったら管理職の比率が男女半々でもおかしくない。とはいえ、いきなり50%というのは厳しいと思うので当面は女性管理職の比率30%を目標に設定しました。

金森:やっぱり管理職は誰にでもできる事ではないから、まずは事業所のパートさん、社員、お得意様との信頼を構築するところからかな。

専務:男女関わりなく、成果を上げるっていうのは重要であって、事業所でいえばそこでの信頼とか業務をきっちり管理できているのかっていう事なのかなと思います。

金森:まずはそこが一つのステップ。

あとは多くの人と関わりをもっていくっていうのも財産になる。物おじせずに話したり、提案をしなきゃいけない事もあるから、前に出させてもらえるんだったら店長任せにせずにどんどん前に行っていろんな方とお話ししていきたいね。

あとは何があってもクヨクヨしない前向きな人がいいですね。

バトンにのせて次の開拓者へ託したい、持続可能な「私」の働き方

専務:どうして自分が管理職になったかって聞かれたけれど、逆に皆さんは自分ではどうしてだと思いますか?

牧野:私は「全うした」としか言えないですね。

自分がやるべき仕事、店長時代にやるべき仕事をきちんとやってきて、ダメだったらフィードバックをしていました。自分の現場の収支が悪かった時にはどうして悪かったんだろう、こうしてみようとかって考えて「数字が悪かったから頑張ってくれない?」ってみんなにお願いしました。

自分の仕事をうやむやにしてこなかったので、わからない事はそのままにせずに「わかるようにするからちょっと待ってくれる?」って言っていました。

早川:私は…与えられた仕事は期日を意識してやっていく。あとは若い段階でマネージャーとして部下を持つ経験をさせていただいて、立場が人を作るじゃないけれども、マネージャーに昇格していく中で上司に対する対応や自分が発する言葉も変化してきたかなと思います。

今、新入社員に研修をしているんですけど、そこでお客さんの情報をちゃんと理解しているかとか、自分が若い時に知っていれば良かったと思う事を色々伝えています。

私自身は現場の経験は少ないけれど、その分企画提案業務だったり、プレゼンに同行したり、他社の社員食堂を見せていただいた経験は一番だと思うので、そういった事を伝えてあげられたらなって。

山本:私は「人間性を磨く」ですね。

営業って人を見られるので自分を偽らないっていうか、人と人との向き合いなのでごまかしとか嘘って見抜かれちゃうんですよね。

最初の頃は「山本さんってこういう人だよね」って自分で思っている姿と違う姿で評価されたりすることがあったんですよね。それが自分では評価されたくない姿だったりしてすごく葛藤したこともありました。

でも、やっぱりどう取り繕っても、自分の人間性っていうのを磨いておかないと信頼してもらえないのかなって思っていて。

後はたくさん失敗してもらえればと思います。

金森:失敗する事によって自分の成長につながるって事なんですよね。

山本:若い皆さんがチャレンジして失敗した場合にはここにいる皆さんがフォローするっていう事ですね!

牧野:そうですね

金森:勉強になるわ~。

一同:(笑)

金森: 私がひとつ心がけているのは「迷惑かけない。やれることはやる」以上!(笑)

事業だけでなく「人」に恵まれた社風も継承していきたい

金森:皆さんが言うのは「人に恵まれてた」って。

専務:ほぉ、よかったです。

ホントに皆さん、いろんな方が会社にいて、皆さんのような新卒入社の方だけでなく、中途採用の方、新卒採用の方。男性、女性、栄養士、調理師… まぁ、いろんな多様性で一つの会社を作っていると思うんですよ。

でも、ポジションが上がるとやりたい事、自己実現できることの幅は絶対広がると思いますよ。

例えば出会う人もそうだし、人の質かもしれないし、お金を稼ぐことによって自己実現欲求が高まるかもしれないし。

華々しく輝いて働いている人って結構大事だと思っていて、こうなりたい!みたいに思われる人が会社にいるのは結構重要だと思っていて、そういう面では本当に皆さんのように新卒から入って、中間ステップを登って行ってこうなったっていう姿をカッコイイと思ってくれる若手が続いてほしいと思うし、皆さんもまだその先もまだまだあるんで、社長になりたい人がいたら僕がいつでも代わってあげたい(笑)

専務:皆さんが言っていた「人に恵まれている」というのが社風だとするんだったら、それを体現していっていただきたい。そうすることできっと脈々と続いていくんじゃないかなって思ってる。

金森さん達がいて、その次(の女性管理職)って皆さんしかいない。

メーキューに新卒で入っても辞められちゃったらこの社風は続けられない。

皆さん、ありがたいことに辞めずにいてくださって、金森さんだと40年いてくださってる。素晴らしい事ですよ。

今は転職が当たり前で、皆さんだって辞めようと思った瞬間があったかもしれない。でもなんだかんだいるわけですよ、この会社に。

僕は辞められない立場にいるので(笑)いる限りは環境を良くし続けたいって思っているんだけど、それには男性だけではなく、女性も経営層にいてほしい。そうすれば女性の視点が入ってくる。

これからも、もっとこうした方がいいんじゃないですかみたいな意見を女性視点で言っていただけたらありがたいですね。

そこはやっぱり、これから皆さんが「もっとこうしたら会社が良くなるのに」って全社的な視点で物事を考えてもらって、もっともっと成長していってもらえるとありがたいと思います。

今日はありがとうございました。