給食といえば、安全・安心であることが絶対的な条件となっています。安心して給食を食べていただくために、私たちは日々様々な活動を行っています。その中でも特に、メーキューの安全・安心を司る「衛生管理部」についてご紹介します。
メーキュー衛生管理部の始まり
食を扱う会社にとって、食中毒を起こさないことは何より大切なことです。食中毒を引き起こせば、企業の信用を失ってしまうことはもちろん、さらにはお客様の命に関わる大事になってしまう危険性があります。だからこそ、衛生や品質の管理をしっかり行うことは、企業にとっての最重要事項となっています。
メーキューの衛生管理の歴史は古く、50年以上前から衛生というものを重要視してきました。当時は「環境指導課」という名前で活動しており、「食堂の環境衛生の確立」、「衛生的作業改善」、「厨房器具の取扱いと保全新設、改善、修理」などについて指導・管理する部門でした。これらは、今日「衛生管理部」と名前を変えた部署が現在も担当するものとなっており、根本的な活動は変わっていません。当時から衛生管理に関する感度は高く、発足から10年後にはその活動を認められて社団法人日本食品衛生協会会長賞を受賞しています。
衛生巡回とは
衛生管理部は様々な活動を行っていますが、その中でも特に今回は「衛生巡回」と呼ばれる立ち入り検査についてご紹介します。
メーキューには現在、約200ヶ所の事業所があります。衛生管理部は半年をかけてこの200ヶ所すべてを回り、その事業所が衛生的に管理・運営されているかどうかをチェックします。メーキューにはHACCPを取り入れた独自の食品衛生管理基準というものがあり、その基準に満たないところがあれば指摘・改善をしていきます。
では実際に、事業所の衛生巡回手順を追ってみましょう!
巡回の手順
事業所によって順序は変わりますが、手順は大きく分けて①書類チェック ②現場検査 ③手洗いチェックの3つになっています。今回はある事業所を一例として、ご紹介します。
①書類チェック
到着したらまず、事業所の責任者と挨拶がてら簡単に巡回の打ち合わせをし、書類のチェックを行います。ここで言う書類とは、従業員の体温などが記録してある健康記録や、食材が納品された際に測っている品温等の記録表、加熱調理時の温度管理表などです。
これらは日々、業務の中で都度記録を行っているもので、きちんと記入がされているか、数値に異常はないか、書類が正しく保管されているかなどをチェックしていきます。
②現場検査
上記が終わったら、調理場を中心に現場の検査に入ります。食品庫や洗浄室などを含む厨房全体を回りながら、衛生に関する様々な項目のチェックを行います。
項目は様々で、掲示物や整理整頓、期限切れの食材を置いたままにしていないかといった基本的な目視検査から、検査キットを使用した本格的な細菌検査まで、隅々までチェックしていきます。
キットも様々で、ATPふき取り検査という目に見えない汚れを検知するものや、食中毒菌や最近全般を検知するスタンプ培地などを使用していきます。明確な数値基準によって判定を行うため、巡回者による判断のブレが起こらない仕組みになっています。
もちろん、調理されたものに問題がないかについてもチェックします。その日に提供された料理を採取して細菌検査を行い、加熱や消毒などが正しく行われていたか、調理後の保管が正しかったかを検査します。
③手洗いチェック
一通り現場を見終わったら、最終チェックとして正しい手洗いが行われているかについても確認します。従業員に目の前で手洗いを実施してもらい、その方法に間違いがないか、手荒れがないか(もしあれば手袋を着用しているか)、きちんとアルコール消毒まで行っているかを担当者がチェックします。それだけでなく、手にもキットを使用した検査を行い、きちんと汚れが落ちたかを数値で確認します。
このように巡回を行い、最後に事業所責任者に簡単なフィードバックを行って巡回終了となります。
巡回の効果
もちろん、巡回して終わりではありません。後日、詳細レポートを作成して巡回時に伝えたことを可視化し、独自の基準に沿って点数付け及びランク付けをします。事業所はそれを元に、「〇月〇日に完了しました」という報告書を提出し、実際に完了しているかどうか、担当者が確認を行います。
中には1年で点数を30点上げた事業所もあり、衛生管理のレベルは定期的な巡回によって、着実に高水準になってきたといえます。
半世紀の間、日々積み重ねてきたメーキューのノウハウ。地道にも思える活動が、今日の安心・安全を作ってきました。28年間、食中毒を起こさずに運営してまいりましたが、今後も皆様に安心して毎日食事をお楽しみいただけるよう、徹底した衛生管理体制で運営していくことをお約束します。