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PEOPLE

今日は一度きりだから、目の前の一食にこだわる。

KOUHEI UKAI鵜飼 耕平
2011年入社 栄養士
病院勤務
きっかけは、病院で食べたうどんと和え物。
小さい頃から食べることが好きで、自分でもよくご飯を作っていました。栄養士になろうと思ったのは、高校1年生のとき。肝臓の病気で入院することになり、2週間ほど点滴だけで過ごし、このまま何も食べることなく死んでしまうのではないかと、とても不安でした。体調が回復してようやくご飯が食べられるようになったときのことは、今でも覚えています。うどんと柔らかい和え物、回復したばかりでまだ食事制限がある中、栄養士さんが私の体のことを考えてつくってくれた食事は本当においしくて、食べられる幸せを感じました。この経験から、自分も人に喜んでもらえる食事をつくりたくて、給食会社へ。メーキューで働くことに決めたのは、人事の方が「元気があればいい」と話されていたから。食べる人を元気にするためには、つくるほうも元気でいること。食事に元気をもらってきた自分だから、今度は誰かを元気にしたいと思いました。
「魚より肉がいい」。難題に応えて得られたもの。
メーキューで働く中で、自分のつくる料理が、食べる人の最後の食事になるかもしれないことも知りました。だから私は一食ずつ気持ちを込めてつくります。入社して初めて配属された老人ホームでのこと。ある利用者さんが突然、無理難題を口に出すようになったことがありました。魚の料理を出したら5分後には肉がいいと言って、なかなか料理を食べてくれず、施設の職員さんも困っていました。それでも、少しでも身体のためにご飯を食べてもらわないといけない。そして、食べる喜びを感じてもらいたい。その一心で、利用者さんが食べたいと思える食事をできる範囲で提供し、なんとか食べてもらえました。注文が多くなってから1週間ほどして、その方は亡くなってしまいました。後日ご家族が「いつもおいしいご飯をありがとう」という、利用者さんの伝言を伝えてくださったとき、大変だった記憶は吹き飛びましたね。食べたいものを食べて、おいしいと感じてもらえて本当によかったです。
リンゴのリースを超える日まで。
蓋を開けた瞬間に、その料理の印象が決まります。だから私がこだわっているのは見た目。食欲がない人でも、思わず食べたくなるような盛り付けを追求しています。クリスマスのときには、パイナップルをツリーのように切って盛りつけました。「いい線いってるぞ」と思っていたのですが、責任者は薄く切ったリンゴでクリスマスリースをつくっていて、完敗でしたね。盛り付けの発想も技術もまだまだ勉強中。給食は普通の食材でも工夫次第で全く異なる料理をつくれるので、まずは自分が心からおいしそうだと思える料理をつくりたいです。とはいえ、いくら盛り付けがよくても味がいまいちでは意味がありません。普段は自分で答えを模索するタイプですが、味に関しては「おいしい」か「まずい」かの二択。おいしくなる調理法があればすぐに人に聞きます。結局、見た目も味も追求したいんですよね。おいしい給食が生きる喜びにつながっていることを、よく知っているから。

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